2014年1月15日水曜日

「初音ミク実体化の情熱」展に作品をだしてみようと思った理由



自分でも動機がはっきりしてないのだけど、色々考えてみた結果、最終的には「ニコ技の布教」です。


展示では「ニコ技の中のイノベーションってコレだったよね。」というモノを見る事ができればと思うのです。


おそらくそうすれば、「ローテクでもいい、むしろ余白の多いローテクでウケればニコ技のイノベータになれる」という事が理解でき、


技術的には未熟な新参者が末席から入るという姿勢じゃなく、堂々と正面から殴り込めるという事が理解して貰えると思うです。(ローテクな新参者歓迎というのが今回の勧誘姿勢)


ちなみにイノベーションっていうのは、ココではある作品に対抗(or参考)して別の作品を作るという連鎖を生み、動画投稿数や累計再生数の増大に寄与する事です。





しょっぱなから、飛ばしすぎて意味わからないですね。まずニコニコ百科のニコニコ技術部の説明から一部を抜粋しましょう。



ニコニコ技術部は、技術レベルが高く世間から注目される斬新な開発を公開している人もいる。そのためアマチュア研究家や科学少年から「いつかはニコニコ技術部に」と、あこがれの対象として見られる側面もある。


と書くと、ハードルが高いように思われる「ニコニコ技術部」であるが、このタグをつけることに制限は無い。むしろ自主的につけることが望まれている。遠慮して作品が埋もれてしまうのはもったいない。仮に、技術が素朴であったり失敗に終わったとしても、そのような作品はむしろ好評であることが多い。



技術レベルの高さに定評があるけれども、そうじゃない人がむしろウケる事ががある。と歯切れの悪い事を言っています。たしかに技術が高いものには素直に感動します。でもニコニコ技術部タグの始まりが「時計」や「メトロノーム」だって事もあり、何となくローテクでしょうも無い失敗をしている動画も直感的には大切な気がしているという所だと思います。


次はこの「何となくローテクも大切」という感じがどこから来てるのか?ということを考えてみたいと思います。





作品の連鎖(イノベーション)について


では何故連鎖は起きるのでしょうか?色々ある気がしますが、「新しい視点」「余白」がキーとなっていて、それを「タグ」が強力に加速しているのではと思っています。(異論は認める)


そもそもの発端。ニコニコ技術部タグについて考えてみましょう。


(参考: http://www.fumi2kick.com/rrtalk/archives/1007 に黎明期の話が載っています。)


事の始まりはこの動画です。当時は「初音ミクってなんだ?すげー!」といった雰囲気で空前のミクブームの始まりの時期でした。その中で現れたのは、ロイツマガールをミクにやらせてみたこの作品です。



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その動画をうけて、工作で表現しようとしたのが、ニコ技最初の動画と言われる時計でネギ回しをした動画です。



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コレを見てrerofumi氏は



初音ミク祭りの中で1人PCから離れて工作という形で初音ミクを楽しもうとする姿にピコーンと来るものがあって、反応動画を作成した。



と言っています。まさにコレが上で言っていた作品のイノベーションがおきた瞬間です。


http://www.fumi2kick.com/rrtalk/archives/873 の「その他」参照)


つまり、時計の作品を通してピコーンと「新しい視点」を得たんだと思います。





ちなみに私も同じ頃にネギ振り作品を作っていますが、時計等の作品は知らずに作っており、


初めて知ったのは「ニコニコ技術部」のタグが出来てからです。



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そのタグ開いてみると、似てるけれども違うアプローチの作品が出てくるじゃないですか!


自分が一番乗りじゃないのは残念でしたが、おぉ、すげぇ居たよ同じ考えの人が!と嬉しかったです。


そして、こんな風に動画を元ネタにして、工作をして遊ぶ事を「ニコニコ技術部」と呼ぶ。という事をなんとなく理解しました。そして、何となく理解した「ニコニコ技術部」をターゲットに動画を作り始めました。


ニコニコ技術部という名前があるおかけげ、既存人気動画を元ネタに工作で面白い事をやろう!という事をはじめたようなものです。そういう意味では「タグ」の力は偉大です。


ほかにもタグの力が大きかったのは小型化戦争でしょう。次の動画が小型化戦争のきっかけです。コメントもタグもなしに見てみて下さい。外部動力と共振を使えば小さいもの動かせるよ~程度の動画です。



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「ほぅ・・・~~とな」と喧嘩は売ってますが、この動画に「小型化戦争」というタグつくと印象が大きく代わります。このタグがつくことで、技術競争の側面が強く強調されます。ルールはよくわからないが、小さいほうがいいんだろ?という技術競争ですね。





さて、最後に「余白」ついて触れましょう。



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時計・メトロノームでのネギ振りに続き、ワイパー、ブラインド、うちわ等様々なネギ振りが現れました。


もはや「この動きってネギ振りに見えるよね」という大喜利状態です。



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実はここにもう一つのキーワード「余白」があると思うのです。


作品は「時計でネギ回しにみえるよね」といいつつ、肩ごと回してたり、そもそもはちゅねミクはネギを回さずに振りますという、色々つっこみ所が多いものでした。


ただ、このつっこみ所は逆に後に続くものに対して、大きな余白を残したとも言えます。初めから完璧なミクロボが完璧にネギを振った動画が投稿されたとしましょう。


だれが、ワイパーでネギ振ってみたという発想ができるでしょうか?





このように、「新しい視点」「余白」「タグ」が作品の連鎖の要だと言えると思っています。(異論はみとめる)


ローテクなモノでも動画や作品での表現を工夫すれば、ニコ技作品群の元祖(元凶)として崇められるのです。


ただ、振り返って後出しの理屈を付けるのは簡単ですが、狙ってやるのは難しいかもしれません。


数打ちゃあたるの精神で頑張りましょう。


「初音ミク実体化の情熱」展について


表題に立ち戻って、展示内容を確認してみましょう。


http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miku.html


の内容に加え、ざっくりと@myrmecoleonさんにニコ技中心に聞いてみました。



展示全体の主旨:


キャラクターを実体化して出会いたい,という情熱・活動について,初音ミクを題材に一覧できる。


一覧なので、ミクの実体化例ならなんでも良い(広く展示作品を公募中)。


2Fでの展示(作品単体):




  • みさいるさんの等身大初音ミクロボット

  • アミッドPのアミッドスクリーン

  • MikuMikuDance

  • VR・AR作品など

  • その他公募したミク作品(技術部だけじゃなく、フィギュア・手芸も)


1F(レンタルショーケース)での展示:


ネギ振りを中心にニコ技紹介パネル・


パネル展示は作品一覧と違い、テーマをもって展示している、そのなかで紹介できる小さな作品も募集中。




  • 技術部の「祭り」の例として小型化戦争を中心に紹介予定非常に短期間に連投され,みるみる小型化していく様子展示 (ネギ振り以外も触れる可能性がある)



実は私はこの展示とは別に以下のような事を考えてみました。





このときはまだ上の「新しい視点」「余白」「タグ」について深くは考えておらず。


こんなに「沢山の視点」が作れるだよ。と展示したら面白いと考えていました。


対して、今回の展示会は小型化戦争という「一つの視点」を掘り下げて、連鎖の熱意を伝えようとしています。


(ネギ振り全般の話をして、さらに小型化を掘り下げるパネルになる予定らしいです)


この二つの展示方針は表面上大きく違うけれども、連鎖を生みたいという思いでは同じなんじゃないんでしょうか?ならばタダノリしてやろうというのが私(akira_you)としての打算です。


ミニマムサクセスとしてはこの全体展示の趣旨の通り「なんか凄い情熱だ、こいつら楽しそうだな」と思って貰えれば十分です。超エクストラサクセスとしては、NHKの子供向け工作番組程度の工作スキルでも、この情熱の火付け役になれる。つまり、自分もこんな連鎖を起こせるし、いっちょやってみるかーと思って貰えればなと思います。



「ローテクでもいい、むしろ余白の多いローテクでウケればニコ技のイノベータになれる」



今回は連鎖のみに着目したので、若干ローテク持ち上げ過ぎかもしれないですが、ハイテクにもちゃんと意味があって「すげー」だとか「ついにここまで来たか」という賞賛はそこで生まれると思っています。


単発で凄い動画が集まるのも、ニコ技という大きなタグがあるメリットですね。





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