2018年5月23日水曜日

デザイナにはデータを構造化して渡そう

イベントのスケジュール欄とかの印刷物を作っていると、後から後から修正が来て結局修正漏れになったりする事って多いですよね。ということで西院フェス(音楽フェス)のパンフ作成でやって上手く行ったワークフローの紹介です。
 イメージ的にこんなやつです。このミュージシャンが変更になった、バンド名に「.」が抜けていたとかいう連絡さ五月雨式にやってきます。

ステップ1:情報を一カ所に集める

西院フェスの場合は、Webで全てを管理してますが、いきなりハードル高いデスよね。Google docなんかでエクセルを共有するだけでも良いかと思います。
エクセルでやるならばvlookupなどを使って、スケジュール一覧にバンドIDいれれば、そこから各種データを切り出せるよ!っていうセルマクロが要るとは思います。

ただし全員がそのデータを見て「便利」と思わないと積極的に更新してくれません。各自の連絡をうけて一人で更新すると気が滅入るので、各ブッキング担当・会場担当が自分で更新してくれる空気作りに数年かかりますが、できちゃうと超楽です。
西院フェスでは以下のように一カ所のデータを多面的に使う事で、全員がソコに有るデータが原本という風に認識しています。

  1. ブッキング担当の音源選考用データベース(音源が貼り付けてあって聴ける)
  2. Webに載せる用のライブスケジュール(自動で連動)
  3. パンフ/ポスター担当がスケジュール及び、ミュージシャン/会場一覧覧をGET
  4. 出演時間の交渉のための各会場担当用の連絡先一覧
  5. PA番長が会場ごとに機材仕込むための要望機材一覧表
  6. PAマンが会場で使う出演順のセッティング図一覧
ちなみに、西院フェスでは以下のようにJSONでスケジュール一覧をGETできるサービスを持っているので、ソレをつかってパンフ担当は仕事をします。

https://saifes.net/joinA/artist_json.php?e=2017spring

ステップ2:データを流し込む

データをイラレのスクリプトを使って流し込みます。文字列がはみ出たりするけれども、どうせフォント縮小でいくのか、改行でいくのかパンフ担当が拘りたいところなので、何もせずはみ出たまま流し込みます。
この時流し込む座標はスケージュール時間と、テンプレートとなるイラレファイルから計算して座標を求めています。なので既に作ったスケジュール枠の上にレイヤーを重ねれば左上の絶対位置は正しいという風になります。


ステップ3:差分を自動生成する 

流し込みができたので完成と思いがちですが、字詰めも終わったぞ〜〜って時に変更依頼がきたりします。ここでゼロから流し込みするわけにはいきません。
ということで、差分情報を元に変更一覧を作ってあげます。この変更一覧は上の流し込みにつかったjsonを流し込みした日付を付与して保存しておくことで解決です。その流し込みからの差分をしりたいので、二つのjsonをひかくするだけでOKです。diffsche.pyという専用のプログラムで差分があったスケジュールだけを出してくれるので、そこだけ修正漏れがないかを確認すればOKです。
会場担当がバンド名やジャンルを修正して、それをパンフ担当に伝えてなかったって事がよくあるのですが、そういう伝達漏れの心配はこれでなくなります。


そして、デザイナの作業も変わります。五月雨式に対応するのではなく、デザイナが作業するタイミングで差分データの作成をデータ提供者に要求するのです。確認工数が減るとともに、工数が読みやすくなります。


参考

ソースコードはここに置きました。以上の事を発注者側が全部やるのは無理にしても、こういう管理ができるように、せめて、デザイナには一貫されたフォーマットで矛盾のないデータを作って渡してあげましょうね。
https://bitbucket.org/akira_you/saifes_nagasikomi