2013年6月14日金曜日

実は大切なノイズ



理想的な計測装置はノイズのない回路と、無限段階のADコンバータだけれども、現実にはADコンバータは有限段階です(例えば256段階とか)。



Q:ノイズはゼロが望ましいんでしょうか?


A:違います。



測定対象の信号の変動具合と、ADコンバータのサンプリングレート・分解能によって最適なノイズ量ってのがあります。例えば、測定対象が時間によって変動しないと見なせる場合で。かつ、測定値がADコンバータの換算値で0.5の場合。ノイズなしでは測定値は0です。ここでノイズが乗っている場合測定値のヒストグラムは0.5を中心とした正規分布になります。


ヒストグラムの幅がある程度あるほうが、正確に中心が求まるのである程度ノイズが大きい方が嬉しいですが。算出される計算結果には ノイズ幅xsqrt(測定回数)の誤差が含まれます。


そんな感じでノイズを活用すると、計測時間と精度をトレードオフではあるけれども、性能向上ができるんですね。なんで、ノイズを0と見なした信号処理はもったいない上に、上の対数変換で説明したあような誤りを誘う邪教なんです。





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