2012年9月6日木曜日

ユビキタスとスマフォの関係をアニメ・SFで整理してみた。



まず、IT系の人が目指す世界の一つが攻殻機動隊である事には異論は無いと思う。



それは人があらゆる情報に障壁なくアクセスできる世界。



「情報に障壁無くアクセスできるっていうのは通信及び付随するコンピュータ技術に携わる人にとっては根源的な欲求なのだ」と解釈すると最近の通信・コンピュータ環境が割と簡単に整理できます。


ちなみに科学も同じですね。科学は論理的に正しくてはいけないという哲学の上に再現性があって、シンプルなもの(理論)が美しくて、嬉しい」という根源的欲求を足したものと解釈できますね。





さて、人間が情報にアクセスするシーンといって私が思いつくのは攻殻機動隊とスタートレックです。攻殻機動隊の世界では人々は電脳化とよばれる技術で、人間自身にコンピュータと通信機器をつめこんじゃっています。人間の能力を強化する方向ですね。


一方宇宙SFドラマの代表であるスタートレックでは人間は生身のままです(一応バッチのようなものを持ってはいますが)。基本的には艦内どこでもコンピュータと音声対話によって情報にアクセスできています。


ここまで説明すると、世界の全ての場所で全ての情報にアクセスする必要があると勘違いされがちなのですが、実は違います。必要な情報に必要な時にアクセスできる事が重要なのです。


例えば、ジュースの自動販売機の場合知りたい情報はほぼすべて自販機本体に書いてあります。では必要な情報が無いものは何でしょう?例えば切符の自販機。通勤では問題にならないですが。遠距離旅行に行く時は切符の自販機で得られる情報では情報不足です。なのでみどりの窓口に頼る事になります。そのみどりの窓口も、終電気にしながら飲んでいる吞み屋にはありません。



必要なのは、必要な「場所・時」において必要な「情報」に障壁なくアクセスできる事。



さて話をアニメ・SFに戻しましょう。


攻殻機動隊の電脳って今で言えばなんでしょう?電脳化手術は難しいですが、眼鏡ならなんとかできそうですね。そうgoogleグラスとか出てますし。アニメ作品で言えば電脳コイルの世界。眼鏡を掛けることで情報にアクセスできる。その電脳コイルに今一番近い存在はスマフォですね。異論はあり得ますが、スマフォは身につける事によって人間の情報アクセス能力を高める装置だと言えます。その意味で電脳コイルですよね。ちなみに、スマフォも電脳化(もどき)も両方使っちゃうのがLainですね、格好いいですよね。


そう考えると発想は広がります。Lainだって、エヴァのパイロットだって、宇宙戦艦ナデシコのパイロットだって、多少不細工でもよければスマフォでその世界つくれるんじゃないかって?


さぁ。みんなも片手で折り鶴を折れるぐらいスマフォをタップして、ピンチする練習をしよう!


一方、スタートレックの現実世界での進展はわりと地味です。人間が生身のままで周りの物が人間の代わりに情報にアクセスするという発想はIT用語だとユビキタスというのですが、なぜかTRON?と返されてしまします。TRONの事は置いといて。自動ドアがドンドン進化した物がユビキタスだと思えばいいでしょう。最近の公共施設の照明は周りに人がいないと消灯しますよね。わりとインテリに入り口付近に人がきたらその行き先を順次照らしていく賢い子もいます。ほかにも最近の自販機は顔年齢推定してお勧め商品を広告したりもします。わりとエンドユーザから見ると自然なんです。自然体のままで過ごしてても裏では情報のやりとりを頑張っている。それがユビキタスです。ただ、玄関先で傘立てが「いってらっしゃい!今日は雨降りそうやから傘もっていきや~」と言ってくれるのに幾らお金をだすのか?という問題が現状大きなネックなのかな?という気はします。ユビキタス派の妥協策としてペットロボットは有りかも知れないですね。



スマフォ:人間の情報アクセス能力を高める装具。目指せ電脳コイル


ユビキタス:人間は自然体のまま、周りの物が必要な情報を持ってきてくれる。目指せスタートレック



じゃぁユビキタスとスマフォは思いとして相容れないのか?いあいあ、そんな事は無くて普通に両方便利なように使います。何故ならどちらも「必要な時・場所において必要な情報にアクセスする手段」にすぎないから。単にアプローチを人間側を変えるのか、周りにある物を変えるのかの二つにわけて考えただけです。


例えばお財布ケータイ。必要な情報は金銭に関する情報ではあるのですが、より本質的には店員が商品を渡して良いかの情報ですね。商品が有るところにお財布ケータイをピッってする装置はあって、裏では金銭情報をがんばって処理してくれています。店員もお客さんもピッという合図を聞けば難しい事考えずに取引成立した事が分かります。そういう意味では、商品を持ってレジを通れば取引の可否はレジが教えてくれるユビキタスな世界。でも技術的に口座認証を顔パスでとは行きません。なので口座情報を持っている携帯を身につける事で、自分がお財布ケータイの口座を持っているという情報を受け渡しています。色々妥協してる点はありますが、ちょと目をつむれば電子的に本人確認をする力を持っていると言えます。



人間の能力拡張であっても、物が人間に気を遣って情報を使ってくれるのも手段に過ぎない。


目的は最終的には必要な場所・所において必要な情報にアクセスできる事。



んじゃこの先どうなるのか?


私達がSF・アニメで夢見た世界は幸か不幸かまだ実現半ばです。これからも新しい技術は作られていくでしょう。がんばって俺ら未来に生きてるぜ!をやりましょう。 この先技術的には無線帯域とかも気にしなきゃね~とか書こうかとも思ったんですが・・・ぶっちゃけその程度の逆境、どんでん返しを目の当たりにしてるし、恥をかくだけなので書きません(笑。


未来はネットよりも広大です。





以上個人的な見解でした。ちゃんと文献しらべて書こうかと思ったけど、「まぁ、いいか」で昔読んだ記憶を頼りに書いてます。間違ってたらごめん。





おまけ:クラウド≒AIがとまらない



クラウドって色々騒がれているけれども、裏方技術なのでなんなんだろう?って感じしますよね。


IT系の開発・運営者がコンピュータを使う時、真に使いたいのはコンピュータ本体ではなくて、メール等のサービスだったり、プログラミング環境だったり、OSやネットワーク等のコンピュータシステムの環境だったります。


と考えると開発・運用者コンピュータ本体は欲しい物を得る手段であって目的でありません。そこで、コンピュータ業者は考えました(実際には特定の業者が考えたんじゃないけど)。それらのサービスの入り口だけを商品として定義して、それ以外はその時々で変わるよ!ってしたら無駄のない商品になるんじゃ?


例えば、メールサーバって暇だしA社専用にコンピュータを用意するんじゃなくて、A社B社兼用にできるし、A社のメール量が増えたらその時別にコンピュータを増設して移築すればいいじゃないか。


無駄のカットはコンピュータの集約だけに留まりません。A社のサーバは日本からのアクセスが多いから日本との通信が早い日本国内のサーバに移動しよう。B社はアメリカに移動しよう。C社は昼は日本・夜はアメリカで。といった運用も現実のものとなってきています。


これって何かに似てますよね?「AIがとまらない」って覚えてますか?(おっさん各位)


色んなコンピュータを渡り歩く、美少女。どこのコンピュータに移動しても基本的に同じように動いている(処理能力の影響は受ける)。あなたのサーバインスタンスもアイだと思えばちょっと愛着持てませんか?


持てませんか、そうですか・・・。